量子もつれ

量子もつれ

量子もつれの基礎

量子もつれの基礎について解説します。量子もつれは、量子テレポテーション、量子鍵配布プロトコルE91等で利用され、正に量子情報理論の本質です。また、量子もつれを理解することは、あらゆる量子情報処理の基礎となっています。
量子もつれは、基本的に2個以上の量子系において定義される概念です。ですから、量子もつれを理解するには、複数の量子ビットからなる状態の構成の仕方、すなわち状態ベクトルのテンソル積を知っておかなければなりません。この知識が不足していると思った方は、先に「複数の量子ビットの状態」コースを受講されることをお勧めします。

ベル状態による表示

ベル状態における、AliceとBobの観測

量子もつれの精製

量子もつれの精製方法の基礎を説明します。量子もつれの精製とは、AliceとBobが不完全なベル状態を複数共有している場合に、それらを元にしてより完全なベル状態を生み出す方法を指します。
現実の世界では、量子通信チャンネルにはノイズがあり、AliceとBobは不完全なベル状態しか共有できません。本コースで説明する精製方法は、その解決策になります。この手法は、量子インターネットを構成する際の基礎となります。

ベル基底測定

ベル基底状態を測定して識別する方法について学習します。ベル基底は2個の量子ビットで構成される状態で、量子もつれを持っている点に特徴があります。量子もつれにより、ベル基底状態にある二つの量子ビットは互いに相関し合い、独立な1個の量子ビットとしての測定では状態を識別できません。この問題を解決するために、CNOTゲートが使われます。
ベル基底を理解するには、量子もつれの知識が不可欠です。ですから、本コースを勉強する前に、「量子もつれの基礎」、「量子テレポテーションの基礎」、「量子もつれの精製」、「量子鍵配布プロトコルE91の基礎」等のコースを受講することをお勧めします。
量子もつれを理解することは、量子情報理論の本質です。しっかり理解してください。

ベル基底を識別する量子回路