量子力学における測定

量子力学における測定

量子状態の測定と確率の基礎

量子ビットの状態が2成分ベクトルで与えられた場合、測定がどのような行為を指すのかを説明します。量子力学では、量子状態に測定を行うと、測定結果は確率的なものになります。その確率の計算規則も説明します。
量子状態を測定する場合、測定のための観測基底を定めることが必要になります。確率は、量子状態と観測基底の内積の絶対値の二乗です。これらのことを理解しましょう。

密度行列の基礎、および、純粋状態と混合状態

量子状態を表現する方法として、ベクトルによる表示以外に、行列による表示方法があります。このような量子状態を記述する行列は、密度行列と呼ばれます。密度行列を定義すると、自然に、純粋状態と混合状態の考え方に発展します。
密度行列による混合状態の表示は、例えばノイズのある量子通信チャンネルで運ばれたqubitの量子状態を記述するのに便利です。
本コースではさらに、Bloch球による1-qubitの表示についても触れます。Blochベクトルは、量子状態を視覚的に表すのに便利なツールです。

密度行列とビット反転、位相反転チャンネル

混合状態のBlochベクトル

状態の外積と射影演算子

状態ベクトルの外積と、それによって構成される射影演算子について解説します。射影演算子は、量子状態の観測行為を記述するのに使うことができます。
量子力学の教科書では、「射影演算子は、固有値が1のエルミート行列である」と説明されている場合があります。本コースでは、このような数学的に厳密な表現にはこだわっていません。しかし、興味がある人は、さらに進んだ勉強をするのも良いでしょう。
本コースでは、状態ベクトルの「外積(outer product)」により演算子(行列)を構成します。一方、ベクトル解析でも、二つのベクトルのベクトル積を、クロス積、あるいは、外積と呼ぶことがあります。ですから、ベクトル解析の話題で、二つの3次元ベクトルの外積は、やはりベクトルとなります。これは、異なる定義の数学的操作に同じ名前がついてしまっている例です。この点について、混乱しないよう注意してください。

射影演算子について

射影演算子と観測について

忠実度の基礎

忠実度の基礎について紹介します。同時に、量子通信チャンネルの初歩も説明します。忠実度とは、ある量子状態が、基準となる別の量子状態と、どの程度一致しているかの定量的指標のことです。
より具体的に述べると、ある理想的な量子状態と、ノイズによって理想的な状態から少し変化してしまった量子状態があったとします。忠実度は、これら理想の量子状態とノイズを受けた量子状態の二つが、どの程度一致しているかを数値で表します。

ビット反転チャンネル

位相反転チャンネル